菌で肌がきれいになる?話題の育菌美容とは
「菌」と聞くとあまり良くないイメージがあるかもしれませんが、私たちの体にはさまざまな菌が存在し、体を守ってくれているのです。
とくに私たちに馴染みがあるのが腸内フローラと呼ばれる腸内細菌ではないでしょうか?
善玉菌を増やして悪玉菌を減らすことで腸内環境を整え健康維持することができます。
これと同様、顔の皮膚に存在する皮膚を健やかに保ってくれる菌を増やすことで、美肌へと導いてくれるのです。
この美肌菌を増やす美容法が「育菌美容」と呼ばれ近年注目されています。
■INDEX■
1.肌にはどんな菌が存在するの?
2.美肌菌が増えるとどうなるの?育菌美容の効果
3.育菌美容(美肌菌を増やす)方法とは?
肌にはどんな菌が存在するの?
私たちの皮膚には約10種類、1兆個もの菌が住み付いていて、それらは常在菌と呼ばれています。
皮膚の常在菌は病原性の弱い(または病原性のない)菌で、皮脂や汗などを餌に生きています。
この常在菌は「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」の3種類に分けられます。
●善玉菌
肌のうるおいを保ち、外部刺激から守ってくれるなど肌にとって良い働きをしてくれる菌。
すなわち美肌菌と呼ばれるもの。
代表的なものに「表皮ブドウ球菌」があります。育菌美容では主にこの菌を育てます。
●悪玉菌
存在しているだけでは問題はないのですが、病原性が高いため皮膚がアルカリ性に傾くと増殖して皮膚炎などのトラブルを引き起こします。
「黄色ブドウ球菌」などが悪玉菌です。アトピー性皮膚炎を持つ人はこの黄色ブドウ球菌の数が多いと言われています。
●日和見菌
日和見菌というのは善玉菌でも悪玉菌にも当てはまらないけれど強いほうに付くという性質を持つ菌。
善玉菌が優勢のときには善玉菌に、悪玉菌が優勢のときには悪玉菌になります。
代表的なものに「アクネ菌」があります。
アクネ菌は皮脂を分解して皮膚を弱酸性に保ち、有害な菌が皮膚に定着しないよう防御する働きがあります。
よくニキビの原因と言われていますが、これは皮脂の分泌量が増えたり毛穴が角栓で塞がれたりすることで毛穴の中でアクネ菌が増殖し炎症を引き起こしてニキビとなるのです。
美肌菌が増えるとどうなるの?育菌美容の効果
では「美肌菌(表皮ブドウ球菌)」が増えると肌にとって何が良いのでしょうか?
皮膚の角質層や毛穴に存在する表皮ブドウ球菌は肌のバリア機能となるグリセリンや脂肪酸を作り出してくれます。
グリセリンは化粧品にも配合させている保湿成分です。
潤いがしっかり保たれた肌はハリや弾力をキープするだけでなく、肌のバリア機能が正常に働くことによって紫外線や乾燥などの外的ダメージを受けにくくなるのです。
そして美肌菌が作り出す脂肪酸は、肌を弱酸性に保ち、肌トラブルの原因となる黄色ブドウ球菌の増殖を防いでくれるという機能があります。
悪玉菌が減ることで、肌の菌全体のバランスが多様化し健康的な肌を維持しやすくなります。
つまり美肌菌が増えると、肌がしっとり潤いに満ちた状態となり、炎症などが起こらない健康な肌になるのです。
育菌美容(美肌菌を増やす)方法とは?
ではこの美肌菌を増やすためにはどうしたら良いでしょうか?
①摩擦による刺激を与えない
美肌菌の住処である肌の角質層は1㎜の100分の2という非常に薄い層であるため、刺激によって簡単に壊れてしまうのです。
クレンジングや洗顔の際には角質層を傷つけないようやさしく洗うことが大切です。
またピーリングやスクラブを頻繁に行うことも角質層にダメージを与える原因になるので要注意。
②洗顔しすぎない
洗顔料に含まれる界面活性剤が、肌表面に定着している美肌菌まできれいに洗い流してしまいます。
一度洗い流されてしまった菌が復活するには8~12時間かかるといわれているので、朝晩洗顔料を使ってしっかり洗顔してしまうと、美肌菌が定着しにくい肌に。
美肌菌を増やすためには、朝は洗顔料を使わずぬるま湯のみで洗顔することがおすすめです。
③防腐剤、殺菌成分が含まれる化粧品を使用しない
化粧水やクリームなどに含まれる防腐剤やアルコールなどの殺菌効果のある成分が含まれていると、その成分によって肌に棲みついている美肌菌まで死滅させてしまいます。
使用する化粧品の成分をよく確認してなるべく防腐剤や殺菌成分が添加されていない化粧品を選びましょう。
④適度に汗をかく
美肌菌は汗や皮脂を餌に食べて増殖します。
つまりずっと汗をかかない状態だと、美肌菌の食べる餌がないため美肌菌は増えることができません。
適度に汗をかくことが美肌菌を増やすためにはとても大切なのです。
とくに寝る前にうっすら汗をかくことが美肌菌を増やすためには効果的。
寝ている間は美肌菌が餌を食べ、朝まで8~12時間かけて増殖するのに最適な環境なのです。
⑤育菌ができる美容成分を補給する
●ラフローラ
ヒト由来の乳酸菌。肌に存在する善玉菌(表皮ブドウ球菌)の餌となって美肌菌を増やす効果が期待されています。
●バイオエコリア
てんさいを原料に作られたオリゴ糖の一種。汗や皮脂は肌の状態によって悪玉菌の栄養となってしまうこともありますが、バイオエコリアは優先的に善玉菌(表皮ブドウ球菌)の栄養になるといわれています。
いかがでしたか?
美しい肌を保つためには、いろいろな化粧品を使ったり、美容機器によるケアも必要ですが、それらの効果をより高めるためにも、私たちの肌本来にもともと存在している美肌菌を増やす育菌美容を取り入れることで、肌力をアップさせましょう!
2018年2月22日