鈴木砂羽さん
ありのままの自分を
受け入れたら
とても楽になりました
渡邊 先ほど撮影を拝見していて、圧倒的な美しさと存在感に感動しました! 偶然ですが、最近鈴木さんが出演されている映画を観る機会があり、こんなに役柄によって印象を変えられるのはすごいなぁと思いました。
鈴木さん ありがとうございます。役柄もそうですが、オンオフもきちんと切替えるようにしています。40代までは仕事以外でも「女優らしく」ということを意識していたのですが、50代に入ってからは、身体の変化もあり「自分らしく」ということをより意識するようになりました。
渡邊 40代から50代にかけて、女性は心身的にも社会的にも変化のある時期ですね。
鈴木さん そうですね。40代は仕事も人生も大変な時期で、心身ともに自分にかなり負荷をかけていたと思います。ちょうど40代から50代にさしかかる時にコロナがあって、それまではずっと走り続けていたのですが、一度立ち止まって自分を振り返る時間を持てたんです。とても貴重な時間でした。そこで自分らしくあること、自分を大切にすることの大事さに気づけたんです。自分の声をきちんと聞き、自愛する。それだけでも、生まれ変わったみたいに色々なことがふっきれて、楽になれました。
渡邊 仕事をしていると、つい自分のことは後回しになってしまいがちです。心身ともに無理をしてしまう場合も多いですよね。
鈴木さん 祖おっしゃる通りです。無理をせず「全部自分を受け入れて認めてあげよう」という考え方ができるようになったら、幸せになれるということに気づきました。以前は自分のことで手がいっぱいでしたが、今はこうした人生の成長の段階を経て、周りのために何ができるだろうと考えるようになりました。私も幸せだけどみんなにも幸せであって欲しい。漠然としているのですが、仕事や出会いを通じて、心のチューニングのお手伝いができるといいなと思っています。
一日に数分でもいいので
頭をからっぽにして、
心をクレンジングします
渡邊 美容や健康ではどんなことに気をつけられていますか?
鈴木さん 一番印象深い書道パフォーマンスは、天皇杯JFA第99回全日本サッカー選手権大会です。約5万8千人の観客を前にピッチで書き終えたとき、地鳴りのような歓声をもらい心が震えました。また、高野山で弘法大師空海の御生誕1250年の記念法会で奉納させていただいたことも、生涯で忘れられない身に余る経験です。また、「書道パフォーマンス甲子園」という高校生の書道大会のアンバサダーを務めさせていただいているのですが、常にドラマや感動があり、好きなことに取り組めることは本当に素晴らしいことだと実感しています。
渡邊 感動はまた新たな創作意欲につながりますね。作品づくりには、気力や集中力、体力も必要だと思いますが、健康管理などはどんなことに気を使われていますか。
鈴木さん 朝起きたら、まず布団の上でおへその周りをマッサージして、その後に白湯を飲むようにしています。おへそ周りには固くてごりごりしている部分があるはずなので、ここをぐりぐりすると快調に一日を始められます。
渡邊 おへそのマッサージ、とても良さそうですね! 私も試してみたいです!
鈴木さん ぜひぜひ。また、身体も肌も食べる物からできているので、「この水は肌をきれいにする」「この食べ物は肌にすごくいい」と信じて摂るようにしています。意外と効果があるんです(笑)。
渡邊 肌のお手入れも「キレイになる」と言い聞かせてお手入れすると、より効果があるといいます。心理的な働きは無視できないものがあると思います。
鈴木さん そうなんです。心と身体はひとつにつながっているので、先ほどの続きになりますが、私は身体の声をいかにきちんと聞けるかが本質だと思っているんです。「これ本当に食べたい?」「これ本当にやりたいこと?」と自分に問いかけることで本当に必要なもの、欲しいものを選ぶようにしています。
渡邊 精神的な不調は身体に現れますし、逆も然りです。当たり前のことなのですが、意外と見過ごされている場合が多いように思います。
鈴木さん 精神的な不調は身体に現れますし、逆も然りです。当たり前のことなのですが、意外と見過ごされている場合が多いように思います。
渡邊 鈴木さんの内側から輝くような美しさの秘訣を伺ったように思います。私もぜひ心がけます。本日は素敵なお話をありがとうございました。
◆SAWA SUZUKI
1972年生まれ。静岡県浜松市出身。94年に映画「愛の新世界」で主演デビューを果たし、第37回ブルーリボン賞新人賞、キネマ旬報新人賞、毎日映画コンクールスポニチグランプリ新人賞などを受賞した。テレビ朝日の人気ドラマ「相棒」シリーズに出演。ドラマ、映画、舞台、バラエティーの他にも舞台演出、マンガの執筆など幅広い表現ジャンルで活躍中。
取材日/2024年8月22日 ヘアメイク:真知子(鈴木砂羽)、木下庸子(渡邊美樹子) スタイリスト:平井律子(鈴木砂羽)
<衣装協力>
アビステ/03-3401-7124
スズキ タカユキ/03-6821-6701